【T×ACTION】大船渡イノベーションサミットⅠ~マシュマロを高く掲げよ~
7月28日(金)の午後3時から大船渡市防災観光交流センター(おおふなぽーと)で「既成概念にとらわれない思考法を学ぶ—大船渡イノベーションサミット—」が開催されました。このイノベーションサミットは大船渡市役所の主催で、「地域振興のカギは高校生のアイディアである。グループワークを通して高校生から発案された地域活性化に関するテーマをもとに、既成概念にとらわれない思考法を学ぶ」ことを目的に開催されました。大船渡市商工港湾部産業政策室の担当者が5月から本校を訪問し、副校長や担当者と打合せをしながら、日程を調整してくださいました。昨年度までは7~10月に2週間に1回、午後6時~8時に開催されていましたが、部活動終了後の移動が難しく、高田高校の生徒はなかなか参加できませんでした。今年は夏季休業中の7月28日、8月1日、8月2日の3日間で集中開催していただけることになり、初日の7月28日は高田高校から16名の生徒が参加しました。
講師は国立大学法人岩手大学研究支援・産学連携センターの今井潤教授です。7月28日の講義内容は
・デザイン思考とはなにか?
・アイデアをとっても多くつくるには?
・思い込み(先入観)を捨てるには?
でした。高田高校のT×ACTIONは昨年度の振り返りの際、「高田高校と陸前高田市の復興も落ち着き、T×ACTIONの成果も見られることから、次のステップとして、生徒のアントレプレナーシップの醸成ができるといいですね。」との外部からのアドバイスがありました。アントレプレナーシップとは「新事業や新商品の開発などに高い創造意欲を持ち、それに先立つリスクに対しても果敢に取り組んでいく姿勢や発想、能力などを持つ『起業家精神』」のことを指すそうです。今回のこのイノベーションサミットでアントレプレナーシップを学べるということで、参加者を募りました。3年生の参加者も多く、夏季課外終了後、ジャンボタクシーにみんなで乗って会場入りしました。
Adobeの2016年の調査で、米英仏独日それぞれ1000人の成人に「最もクリエイティブな国は?」と質問したところ、1位は34%で「日本」だったとのことです。一方で2017年に同じく米英仏独日の12歳から18歳までの500人に「自分のことを『創造的』だと思うか」と聞いた結果、「はい」と答えた日本人の生徒はわずか8%だったとの結果が出ています。外部の評価と自己評価の結果に違いが見られました。しかし、3年後の2020年に同様の調査を日本の高校生にしたところ、「自分に創造力がある」と答えた生徒の割合は55%まで上昇したそうです。会場の高校生に同様の質問をしてみても、やはり同じ位の生徒が「自分には創造力がある」と答えていました。頼もしいぞ!高校生!
ここで、自分たちがどれほど創造的な思考ができるかに挑戦してみようということで、6チームに分かれて「マシュマロチャレンジ」をしました。マシュマロチャレンジのルールは
・制限時間18分
・スパゲッティで構造物を作り、マシュマロを一番高い所につける
・スパゲッティを机に固定していい
・18分終了後、マシュマロの高さで優劣を決める
・材料は20本のスパゲッティ、91.44センチメートルのセロテー
プとひも、マシュマロ1個で、その他の材料の補充はない
・スパゲッティは折ってもいい
・マシュマロはちぎってはいけない
です。では、生徒の苦闘の様子を御覧ください!
高田高校の生徒が所属していたチームは残念ながら18分後にマシュマロを刺した状態で構造物を立たせることは出来ませんでした。
このマシュマロチャレンジで一番うまく出来ないのはビジネススクールの卒業生で、一番上手く出来るのは幼稚園児の新卒児だそうです。ビジネススクールの卒業生は唯一の最高のプランを考えてそれを実現しようとするから一番最後にマシュマロを構造物に刺します。ところが以外にマシュマロが大きくて重く、崩れてしまいます。一方で、幼稚園の新卒児はスパゲッティにマシュマロを刺してみて、以外に大きく重いことに気づき、その問題を解決するように何回か試してみるので、一番高くユニークな構造物を作るそうです。上の写真を見てみると、確かに構造物を作っている間、主役のマシュマロは机の上にちょこんと乗っているだけのチームが多いですね。
高田高校の生徒は普段から提出物や成果物作成に締め切りギリギリまで取り組まないということが多いです。締め切り直前に取り組んでそこで初めてやり方や考え方が間違っていたと気づくこともあり、修正したら結局締め切りに間に合わなかったということも多くなります。このマシュマロチャレンジを通じて、とにかく「やってみる」「手を付けてみる」ことの大切さを学べたように感じました。
マシュマロチャレンジの後は、ブレインストーミングでアイディア出しの練習です。付箋に書いて大きな声で読み上げながらペタペタと模造紙に貼り、ポジティブに褒め合うという作業をしました。
我々の脳はアイディアを出しながら、最良の方法を選ぶことができるようには出来ていないのだそうです。だから、アイディアを出す時はとことん出す!そして盛り上げる!人のアイディアに乗っかる!ということが必要なんだそうです。生徒は楽しんでアイディアを出していました。様々なことが学べた初日となりました。次回も頑張ろうね。